【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー Activate方法論とは? Activate方法論とは「SAP S/4HANAやその他のSAPソリューションの導入を迅速かつ効果的に進めるためのフレームワーク」のことです。下の図のように、DiscoverからRunまでの6つのフェーズで構成されています。 各フェーズの概要は以下のようになります。 本記事では、主にDiscoverフェーズについて解説します。Activate方法論についてより知りたい場合はこちら! Activateとは?概要・特徴・従来手法との違いを徹底解説![SAP導入方法論] Discoverフェーズで行うタスクとは?Discoverフェーズでは、以下の5つのタスクを実施します。 Cloud トライアル ディスカバリ評価 アプリケーション評価スコーピング Cloud Method評価 1. Cloud トライアル Discoverフェーズの最初のアクティビティは、無償のSAP S/4HANA Cloudトライアルシステムを使って新しいシステムに慣れることです。このトライアルシステムは、S/4HANAシステムがどのように機能するかという視点をユーザーに提供してくれます。ライセンスユーザーと同じようにシステムを体験することができ、財務、プロフェッショナルサービス、購買、販売、生産にわたる日々の活動を実行することができます。トライアル期間は14日間で、S/4 HANA Cloudがビジネスにもたらす価値を明らかにすることができます。 2. ディスカバリ評価 ディスカバリ評価は、SAP S/4HANAがユーザーの業務プロセスやIT戦略に適合するかを分析し、導入の可能性を判断するプロセスです。導入の方向性を決定するための基礎情報を収集し、スコーピングの準備を整えます。 ディスカバリ評価を実行するために、デジタル・ディスカバリ評価アプリが用いられます。ユーザーは、アプリ内でSAP S/4HANA Cloud に関するビジネスプロセスごとにスコープを設定し、必要な統合要件を入力したり、追加の統合要件を入力することができます。 このプロセスを通じて、プロジェクトのスコープが文書化され、スコーピングレポートが生成されます。そのレポートをもとに、SAP S/4HANAがユーザーにとって適切なソリューションであるかどうかを判断し、導入の方向性を決定します。ディスカバリ評価はあくまで導入の方向性を決定するための初期評価であり、この結果をもとに導入によるビジネス価値の定量化や導入範囲の確定を行っていきます。 3. アプリケーション評価SAP S/4HANAの導入によるビジネス価値を明確化するためのステップです。このステップでは、SAP Signavio や SAP Process Insightsを活用し、業務プロセスの可視化や改善ポイントを特定します。これにより、ユーザーはSAP S/4HANAを導入することで、業務効率の向上、コスト削減、データの可視化といった具体的なメリットを定量的に評価し、データに基づいた意思決定を行うことができます。また、この活動の中でアプリケーションの価値を文書化することで、後にビジネスケースを作成する際の準備が整います。 4. スコーピング 次にスコーピング(範囲設定)を行い、以下のポイントを検討します。 どの業務プロセスをSAP S/4HANAに移行するか(財務、購買、販売、生産管理など) 導入タイミングをどうするか (段階的な導入か、一括導入か) 必要なカスタマイズの範囲と、そのコスト・リスクについて このプロセスの結果、SAP S/4HANA導入プロジェクトの具体的なスコープが確定し、以降のフェーズでの計画や実装がスムーズに進められます。導入の目的を明確化し、関係者の合意を得るためにも、アプリケーション値の分析とスコーピングは重要なステップとなります。 5. Cloud Method評価 Cloud Method評価は、SAP S/4HANAをクラウド環境で導入する際の最適な方法を選定するプロセスです。この評価を通じて、企業は自社の業務要件やITインフラ、将来的な成長計画に最も適した導入アプローチを決定します。具体的には、導入手法の選択クラウド環境の選択プロジェクト計画の策定リスクと課題の特定をしていきます。導入手法の選択SAP S/4HANAのクラウド導入には、大きく分けてGreenfield(新規導入)とBrownfield(既存システム移行)の2つの方法があります。Greenfieldアプローチでは、従来のERPシステムを一から設計し直し、新しい業務プロセスを採用することが可能です。一方、Brownfieldアプローチでは、既存のERPデータやカスタマイズを保持しながら新システムへ移行するため、ダウンタイムの短縮やコスト削減が期待されます。 クラウド環境の選択SAP S/4HANAは、Public Cloud、Private Cloudのどちらでも導入可能です。Public Cloudは、SAPが提供する標準機能を最大限活用でき、メンテナンスの負担が少ない一方で、カスタマイズの自由度が制限されます。Private Cloudは、柔軟なカスタマイズが可能ですが、運用管理の負担が増加します。 プロジェクト計画の策定Cloud Method評価の重要な要素です。SAP Activate方法論の各フェーズをベースに、システム導入のロードマップを作成し、移行期間やリソースの最適化を図ります。 リスクと課題の特定クラウド導入には、データセキュリティやコンプライアンスの問題、既存システムとのデータ移行、ユーザー教育など、多くの課題が伴います。これらのリスクを事前に特定し、適切な対策を講じることで、スムーズな導入を実現できます。 まとめ Discoverフェーズでは、以下の5つのタスクを通してプロジェクトの方向性を定めます。 Cloud トライアル無償のトライアルシステムを使い、SAP S/4HANAがビジネスにもたらす価値を明らかにします。ディスカバリ評価SAP S/4HANAが顧客に適合するかを評価し、導入の方向性を決定します。アプリケーション評価 SAP S/4HANA導入のビジネス価値を定量的に評価し、明確にします。スコーピングプロジェクトの範囲を確定します。Cloud Method 評価 SAP S/4HANAをクラウド環境で導入する際の最適な方法を選びます。告知 【SAP認定コンサルタント資格のメリット】・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる ・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる ・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金を得ることができる 公式HP:https://sap-consultlabo.com/