【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー Activate方法論とは? Activate方法論とは「SAP S/4HANAやその他のSAPソリューションの導入を迅速かつ効果的に進めるためのフレームワーク」のことです。下の図のように、DiscoverからRunまでの6つのフェーズで構成されています。 各フェーズの概要は以下のようになります。 本記事では、主にDiscoverフェーズについて解説します。Activate方法論についてより知りたい場合は、こちらを参照してください。 Prepareフェーズで行うタスクとは?Prepareフェーズはプロジェクトの本格的な開始に先立ち、初期計画と体制準備に焦点を当てたフェーズであり、主に下記の5つのタスクが行われます。 プロジェクトガバナンスの確立 プロジェクト計画の策定 システム環境の準備 キックオフ エネーブルメント 1. プロジェクトガバナンスの確立 Prepareフェーズの最初の活動は、プロジェクトガバナンスを確立することです。プロジェクトガバナンスとは、構造的な方法で意思決定が行われるようにするための、プロジェクトにとって重要なマネジメントフレームワークのことです。まずプロジェクトオーナーとプロジェクトマネージャー(PM)が中心となり、新規プロジェクトの承認を正式に行い、関係者をプロジェクト目的とスコープに合わせて調整・合意させます。ここで、PMはdiscoverフェーズからの引継ぎを行い、プロジェクト憲章文書とスコープステートメント文書を作成します。 ここで、プロジェクトガバナンスの確立を怠ると、プロジェクトが正式に承認されないまま進められてしまい、必要リソースを確保できなかったりスコープの認識齟齬が生じたりするリスクがあります。プロジェクトガバナンスの確立において、プロジェクトチーム、プロジェクト、プロジェクト利害関係者、エグゼクティブ、システムインテグレーターのための方針を確立し、役割、責任、説明責任、組織体制を明確に規定することが求められます。2. プロジェクト計画の策定 次に、プロジェクト全体の計画を詳細化します。ここでは、プロジェクト管理計画の策定、プロジェクトのWBS(Work Breakdown Structure)の準備、プロジェクトのスケジュールと予算の決定が行われます。また、リスク管理計画やリソース計画、コミュニケーション計画などもここで策定します。これらの計画には前のフェーズであるDiscoverフェーズで集められた情報に加えて、このPrepareフェーズで以下のタスクを実行することで集められた情報も活用されます。 SAP SignavioによるSAP ECCプロセスの分析 SAP Signavioによる主要KPIとベンチマークの特定 LeanIX EAMでランドスケープレポートを作成 LeanIX EAMによるビジネス機能のマッピング 詳細なWBSについてはSAP Roadmap Viewerに記載されており、PMはSAP社が用意したベストプラクティスに沿って進めることができます。特に、スケジュールと予算は後続フェーズの実行指針となるため、この段階で現実的かつ合意されたものにする必要があります。 3. システム環境の準備プロジェクトで使用するシステムランドスケープを準備します。SAP S/4HANA Cloudのようなクラウド製品の場合、契約締結後にSAPによるシステムプロビジョニングが行われるため、SAPとの連携のもと初期システムのセットアップを依頼・確認します。具体的には、SAPのカスタマーポータル(SAP for Me等)から利用可能なシステムを確認し、プロビジョニング要求を出して、品質システムや開発システムなど必要なインスタンスを稼働させます。オンプレミス型の場合は、自社インフラ上にSAPソフトウェアをインストールする計画を立て、ハードウェア調達や基盤ソフトのセットアップを実施します。いずれの場合も、次のExploreフェーズで行うFit-to-Standardワークショップに備え、スターターシステム(SAP標準プロセスが設定された初期システム)を用意することが目標です。加えて、プロジェクトで利用する各種ツール(例:チケット管理システム、テスト管理ツール、リポジトリ、コラボレーション基盤)のセットアップや、必要なユーザーアカウントの作成・権限付与もこの時点で行います。 4. キックオフプロジェクトを正式に開始するために、キックオフミーティングを実施します。これはプロジェクトチーム全員と主要なステークホルダーが一堂に会するミーティングで、プロジェクトの目的、組織構造、役割と責任、プロジェクトガバナンス、スケジュール、スコープ、コミュニケーション基準、変更要求プロセス、意思決定プロセスについての共有が行われ、全員の認識を合わせる場となります。 5. エネーブルメント エネーブルメントは事前にユーザーがSAPソリューションを習熟するために実施されるタスクです。まずは、前のdiscoverフェーズで有効化が決定したスコープアイテム(SAP社が用意した標準機能群のこと)を確認しましょう。一つ一つのスコープアイテムに対してその手順を記載したテストスクリプトが用意されています。どのテストスクリプトを使うかを明確にしましょう。テストスクリプトに記載された手順通りにスターターシステム上で標準プロセスを実行することで、ユーザー自身がSAPの機能を理解し、自社業務との差分をどのように対応していくか検討する準備ができるようにします。 まとめ Prepareフェーズでは、以下の5つのタスクを通して初期計画と体制準備を整えます プロジェクトガバナンスの確立新規プロジェクトの承認を正式に行い、関係者をプロジェクト目的とスコープに合わせて調整・合意させます。プロジェクト計画の策定プロジェクト管理計画やWBSを策定しプロジェクト全体の詳細な計画を作ります。システム環境の準備プロジェクトで使用するシステムランドスケープを準備します。 キックオフプロジェクトを正式に開始するために、キックオフミーティングを実施します。エネーブルメント スターターシステム上でテストスクリプトを実行することで、事前にユーザーがSAPの機能に習熟するためのタスクです。 告知 【SAP認定コンサルタント資格のメリット】・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる ・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる ・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金を得ることができる 公式HP:https://sap-consultlabo.com/