SAPのSDモジュールでは、企業の販売活動の管理を行います。本記事にてSDモジュールの主要なプロセスである引合管理について解説します。本記事を通して、引合管理業務とSAP機能の理解をしましょう。 【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー 引合管理とは?販売活動の原点と言える、引合について解説します。販売活動は主に、引合→見積→受注→出荷→請求とフローが流れます。 具体的な流れとして、まず取引先から「商品Aを10個欲しいが、納期や金額はいくらになるか」といった問い合わせが来ます。それに対して、送付先や条件を加味して見積もりを行います。その後、取引の契約が結ばれた場合正式な受注を受け、製品を出荷し代金を受け取ることになります。 つまりこれらの活動の最初に行われる、「問い合わせ」を管理する業務を引合管理と呼びます。 引合の情報は、販売活動における最初のデータ管理の対象となります。得意先の基本情報や条件などを管理し、今後の活動において信用取引が行えるのかを判断するために必要な情報だからです。SAPでは引合伝票を登録することで、「どの得意先から何が、どのくらい、いつまでに欲しいのか」といった情報を管理することができます。 SAP画面での登録方法 SAPでは、引合伝票を登録することで問い合わせの情報を登録管理することができます。さらに引合伝票をに対して見積や受注伝票に紐づけることができます。このようにして、問い合わせの内容をSAPに登録して管理することで、取引のフローの突合も容易にすることができます。 実施に引合の情報をMailやその他EDIデータから受信した問い合わせの内容を登録する方法を実機画面を用いて説明します。 まず初めに、得意先をビジネスパートナーマスタに登録します。この際、販売ビューで販売管理のタブに必要事項を登録します(販売組織、流通チャネル、製品部門など)。※マスタ登録への方法はこちら↓【SAP BPマスタ】登録方法|カテゴリ・グルーピング・ロール割当まで一挙解説!また、受注対象の品目が品目マスタに登録されている事を確認し、アプリ:販売引合管理から、下記の画面を表示させます。 画面表示後、新規引合データを登録するには下図赤枠の“引合登録”を押下します。 その後、初期画面にて、引合タイプ、販売エリア(販売組織、流通チャネル、製品部門)を入力し続行を押します。販売伝票を参照することもできます。引合の登録画面が表示されます。画面構成はヘッダ情報と明細情報に分かれます。 ヘッダには引合元としての受注先、明細には問い合わせを受けた品目やその数量を入力します。 ここまでで基本的な引合登録のフローは以上になります。この引合伝票をもとに見積伝票の登録や受注伝票の登録も可能となります。また、引合伝票の変更、照会、一覧表示することも可能であるため、最適な条件の取引を選択するなど活用の幅は大きいです。 実際の導入案件では、この引合の情報までSAP内で管理するかが検討のポイントとなります。例えば“引合は多く来るが、何らかの理由で受注まで至らないことが多い”といったクライアントであれば、引合伝票を登録し、受注まで至らなかった場合は却下理由を登録する運用として、何故却下となったのか理由を管理する目的で引合伝票を登録したりします。 まとめ 引合とは受注や見積もりを受ける前の問い合わせのことで、その管理を引合管理というSAPでは標準機能で引合伝票が登録でき、見積や受注伝票と紐づけて管理することが可能告知「現役」SAPコンサルタントが提供する、未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミーメディアの運営母体であるAnfiniでは、 現役SAPコンサルタントが提供する、未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミーを開催しています。【SAP認定コンサルタント資格のメリット】・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金や料金を得ることができる公式HP:https://sap-consultlabo.com/