2025年4月には、複数の企業が新たなERP導入プロジェクトを発表。国内外でのクラウドERP活用が加速する中、SAP・Oracle製品を軸にした導入事例が相次いでいます。本記事では、INTLOOP、兼松、アダストリアの3社による最新導入動向をまとめ、それぞれの戦略・選定理由・システム構成を比較可能な形でご紹介します。兼松、グループ全体でOracle Cloud ERPを採用33社横断の「データドリブン経営」へ向けた基盤整備兼松株式会社は、中期経営計画「integration 1.0」の一環として、Oracle Cloud ERPをグループ全体(33社)へ段階的に導入する方針を発表しました。2027年までに完全導入を予定しています。SaaS型ERPの特性を活かし、Fit to Standardを基本とした運用で改修負担を軽減。システム全体を「業務データ管理(SoR)」「業務推進(SoE)」「分析活用(SoI)」の3階層に整理し、全体最適を図る構成としています。また、導入を推進する戦略IT子会社「兼松シードポート株式会社」も新設。ITと業務の一体運用により、迅速な意思決定・グループ横断のシナジー創出を実現していくとしています。アダストリア、海外展開強化に向けOracle NetSuiteを導入30ブランド/1,500店舗のグローバル展開を支える共通基盤へ「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など30以上のブランドを展開するアパレル大手・株式会社アダストリアは、日本オラクルのクラウド型ERP「Oracle NetSuite」を導入しました。従来は各国ごとにカスタマイズされたERPを用いていたが、今回のNetSuite導入により、多言語・多通貨・各国法規制対応の共通基盤を3カ月という短期間で構築。EC・財務・CRMなどを一元管理することで、海外出店スピードの加速、内部統制の強化、業務効率の向上を同時に実現しています。特に、東南アジアを中心とした新規市場への展開において、NetSuiteの柔軟性とグローバル対応力が評価された形です。このように、ERP市場は今後も堅調な成長が続くと見られており、導入ニーズの増加にあわせて、SAPコンサルタントの活躍機会も広がりを見せています。INTLOOP、SAP S/4HANA Cloudを中核に基幹システム刷新“自社開発からSAPクラウドへ”脱却、BTP・Fieldglassも活用ITコンサル人材派遣などを展開するINTLOOP株式会社は、基幹システムの刷新プロジェクトにおいて、SAP S/4HANA Cloudを中核とする「GROW with SAP」を導入。さらに、拡張開発基盤であるSAP Business Technology Platform(BTP)および外部人材管理のSAP Fieldglassもあわせて採用しました。従来の自社開発システムからの脱却を図り、グローバル標準の業務運用へ移行。派遣業務に特化した機能拡張をBTP上で行い、購買管理ではFieldglassを用いて属人化排除と透明性向上を進めます。導入はINTLOOP自身がプロジェクトをリードしつつ、SAPジャパンのサポートも受け、クラウド時代に適応したIT基盤への転換を図っています。📌 SAPコンサルタントの方へ現在、SAP領域に特化した高単価・長期プロジェクト案件を中心に、非公開求人をご紹介しています。S/4HANA、BTP、Fit to Standardの経験を活かし、さらなるキャリアの選択肢を広げたい方は、ぜひご活用ください。👉 詳細はこちら(60秒で登録無料)まとめ:導入事例に学ぶ、クラウドERP活用の現在地INTLOOP、兼松、アダストリアの導入事例から見えてくるのは、クラウドERPが単なるIT投資ではなく、経営変革のインフラとして定着しつつあるという潮流です。INTLOOP: 自社開発からSAPクラウドへの転換により、事業成長に耐えうるスケーラブルな基幹系へ刷新兼松: グループ全体の経営基盤をSaaS型ERPで統合し、Fit to Standard+データドリブン経営へと進化アダストリア: グローバル展開におけるスピード・柔軟性をクラウドERPで実現、短期導入も成功要因にそれぞれ異なる背景・目的を持ちながらも、SaaS型ERPの柔軟性・最新技術対応力・業務プロセス標準化の恩恵を最大限に活用している点が共通しています。今後、自社の成長戦略やビジネスモデルに合ったERP選定・導入方針を描く上で、こうした実例は貴重なヒントになるでしょう。📌主要ERP製品 徹底比較ガイド|無料ダウンロードERP導入を検討中の方向けに、SAPやOracleをはじめとした主要クラウドERPの特徴・違い・選び方を1冊にまとめました。最新トレンドを踏まえ、機能比較/導入の注意点/SaaS型ERPの選定基準まで網羅しています。初期検討の情報収集や、社内検討資料の下地としてもご活用ください。👉 資料をダウンロードする(無料)