【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー Activate方法論とは? Activate方法論とは「SAP S/4HANAやその他のSAPソリューションの導入を迅速かつ効果的に進めるためのフレームワーク」のことです。下の図のように、DiscoverからRunまでの6つのフェーズで構成されています。 各フェーズの概要は以下のようになります。 本記事では、主にRealizeフェーズについて解説します。Activate方法論についてより知りたい場合は、こちらを参照してください。 Realizeフェーズで行うタスクとは?Realizeフェーズは、Exploreフェーズで定義された要件に基づいて、システム設定、テスト、移行準備などを実行に移す段階です。Fit-to-Standard分析で特定されたギャップを解消しながら、本稼働に向けた環境を整備することが主な目的です。主に下記の5つのタスクが行われます。コンフィグ対応テスト準備と実行テスト結果の検証と課題対応移行準備と移行リハーサルデルタ要件対応1. コンフィグ対応Realizeフェーズの冒頭では、Exploreフェーズで合意された業務要件に基づき、SAPシステム上で設定作業(コンフィグ)を行います。使用ツールは SAP Central Business Configuration(CBC) であり、主に以下のような設定が含まれます:財務管理の基本設定としての会計期間、通貨設定会社コードやプラント、販売組織や購買組織等の組織定義自動勘定設定や各伝票等の番号範囲定義、選択式項目の選択肢の定義などの各機能の詳細の設定設定は原則としてSAPベストプラクティスに準拠し、業務要件との齟齬がないようレビューと承認を重ねながら進めます。2. テストの準備と実行Realizeフェーズでは、設定内容や連携処理が業務要件を満たすかどうか、段階的なテストを通じて確認します。代表的なテスト種別は以下のとおりです。Unit/Baseline Test:設定したコンフィグ内容の動作検証(例:伝票が正しい番号範囲で起票されるか)Business Process Test:業務フローを部門横断でシナリオ化し、エンドツーエンドで検証Systems Integration Test:周辺システムとのインターフェースを含む連携テストテストは「テストケース」「想定結果」「実行結果」「証跡(エビデンス)」という標準構成で管理され、品質保証の土台となります。3. テスト結果の検証と課題対応テストの結果を精査し、不具合や期待値との差異があった場合には、以下の対策を講じます。エラーの原因分析(設定ミス/マスタ不備など)必要な修正と再設定再テストとエビデンス取得ステークホルダーへの報告と承認取得これにより、Deployフェーズでの「Go/No-Go判定」時に、信頼できるテスト実績を以って判断が可能となります。4. 移行準備と移行リハーサル新システムへ切り替えるためには、既存システムからのデータ移行が不可欠です。Realizeフェーズでは、以下の移行準備とリハーサルが行われます。移行手順書の作成:各データオブジェクトごとの抽出・変換・投入・検証といったステップを文書化移行ツール準備:SAP Migration Cockpitや一括登録機能などの投入ツールの検証、既存システムからのデータ抽出や変換のためのツールの設計リハーサル実施:本番に近いデータで一連の移行プロセスを検証、問題があれば手順を見直しこの工程により、本番切替時のダウンタイムやエラーリスクを最小限に抑えることが可能になります。5. デルタ要件対応Exploreフェーズで標準機能との間に生じたギャップ(=デルタ要件)に対し、以下の手法で具体的な実装・対応を行います。業務変更:ユーザーの業務運用をSAP標準プロセスに合わせて変更アプリ内拡張(In-App):Fiori UIの調整やカスタムフィールド追加などSAP内部で実現Side-by-Side拡張:SAP BTPなど外部基盤を活用した独自アプリ・ロジックの実装アプローチは「Fit to Standard」を前提とし、システムの保守性・アップグレード性を損なわないように設計されます。まとめRealizeフェーズは、SAP導入プロジェクトにおける「設計から実装への移行」を担う実務フェーズであり、次フェーズであるDeployに向けた最終準備が行われます。Realizeフェーズで行う5つのタスクは以下のとおりです:コンフィグ対応要件に基づいたパラメータ設定をSAP上に反映テスト準備と実行品質を保証するための各種テストを実施テスト結果の検証と課題対応不具合修正と品質の最終確認移行準備と移行リハーサル本番移行に向けたデータ移行演習デルタ要件対応標準で実現できない要件への技術的対応このフェーズの品質と完了度が、次のDeployフェーズに大きく影響します。チーム全体で進捗を可視化し、課題を確実に潰しながら進めていくことが成功の鍵です。告知 【SAP認定コンサルタント資格のメリット】・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる ・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる ・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金を得ることができる 公式HP:https://sap-consultlabo.com/