【SAPコンサルタント募集】 年収800万~2500万 平均残業時間 4.1h/月カジュアル面談の応募を是非お待ちしています!■ AS400がサポート終了 AS400 (IBM i) とは? AS400は1988年にIBM社が発表したオフィスコンピューター(オフコン)で、System/3、System/36、System/38といったオフコンの流れを受けて誕生しました。当初は「AS/400」という名称でしたが、その後「eServer iSeries」「System i」「Power Systems」と改称・統合され、現在は「IBM i」として30年以上にわたり世界中の企業の基幹業務を支えてきています。特に製造業や流通業など、大量データ処理や高い信頼性が求められる業種で広く採用されており、その堅牢性と安定性から長期にわたって使用されてきました。 しかし、IBMより「IBM i 7.3」のサポート終了が正式に発表されました。長年にわたり安心して使用してきた企業にとって、サポート終了は大きな課題となります。具体的には、セキュリティリスクの増加やシステム維持の困難さが懸念され、企業は次期システムへの移行や対策を検討する必要があります。サポート終了後は、OSの脆弱性に対するセキュリティパッチの提供が停止するため、情報漏洩などのセキュリティリスクが高まります。また、技術者の高齢化や後継者不足も相まって、システムの維持管理が年々難しくなっている現状もあります。 IBM i のサポート終了スケジュール IBMが発表したサポート終了のスケジュールによると、IBM i 7.3は営業活動終了日が2023年4月28日、プログラムサービス終了日が2023年9月30日、ケアサービスのサポート終了日が2026年9月30日となっています。IBM i 7.2に関しては、すでに営業活動が2020年4月30日、プログラムサービスが2021年4月30日、ケアサービスのサポートが2024年4月30日に終了しています。こうしたスケジュールを踏まえると、現在AS400(IBM i)を使用している企業は、早期に対策を講じる必要があるでしょう。■ AS400からERPへの乗り換えの必要性 なぜ乗り換えが必要になったのか? AS400は長年、企業の基幹システムとして重要な役割を果たしてきましたが、近年の技術進化やビジネス環境の変化により、乗り換えの必要性が高まっています。システムの老朽化や保守の困難さ、最新技術との互換性の問題が顕著になってきているのです。特に、ハードウェアの寿命や部品供給の問題、そして専門知識を持つ技術者の不足により、システムの維持がますます難しくなっているのが現状です。AS400に精通した技術者の多くは高齢化が進み、若手技術者の育成も簡単ではありません。このままでは、障害発生時の対応やシステム改修が困難になる恐れがあります。 ERPシステムへ移行するメリット AS400が抱える根本的な課題として、40年近く続くクローズドなシステム環境がもたらす「技術的鎖国状態」が挙げられます。クラウドネイティブなAI分析ツールやIoTプラットフォームとの連携が困難で、DX推進の足枷となっている状況です。 AS400からERPへの移行によって現代的なデジタルエコシステムへ統合することで、上記の課題を解決できる可能性があります。最新のERPシステムでは、統合データベースによる企業データの一元管理が可能であり、分析ツールやIoTプラットフォームとの連携も容易です。加えて、リアルタイムでのデータ分析によって、経営者は必要なときに必要な打ち手を検討し対応できるようになります。例えば、売上や利益、生産にかかる工数とコスト、債権など財務における情報分析、仕入や在庫状況、人事情報など、現在の経営状況をリアルタイムに把握し、迅速な意思決定が可能になるのです。さらに、クラウドベースのERPシステムであれば、インフラ投資や運用管理の負担が軽減され、企業はより本来の事業に集中することができます。主要ERP製品 徹底比較ガイド|無料ダウンロード 👉 資料をダウンロードする(無料)■ ERPへの乗り換え時にユーザーが気を付けるべきポイント ERPへの乗り換え時、ユーザーは①RFP(提案依頼書)を作成し、②パッケージ導入とスクラッチ開発の選択を行う必要があります。②でパッケージ導入を選択する場合は、③中小企業・中堅企業に適したERPパッケージの基準で導入パッケージを決定する必要があります。また、④パッケージ適合度と業務プロセスの見直しも併せて行います。 ① RFP(提案依頼書)の作成 ERP導入において、RFP(Request for Proposal:提案依頼書)の作成は非常に重要なプロセスです。RFPは開発ベンダーから質・粒度が均一化された、より良い提案を受けるための資料であり、「開発ベンダー各社に提出して、内容に沿った提案を受けるための資料」です。これにより、「どんなシステムを開発して欲しいのか」「なぜそのシステムが必要なのか」「予算はどれくらいか」「いつまでに必要なのか」といった情報を開発ベンダー各社に提供できます。 RFPの作成は、その過程で潜在課題を発見できることも大きなメリットです。ERP導入の目的は、現在ある経営課題を解決し、業務効率向上やビジネスに新しい付加価値を生み出すことですが、企業が認識している課題は顕在的なものが多く、その裏に潜む潜在課題を把握できていないことが珍しくありません。RFPの作成プロセスでは、自社の業務を詳細に分析することになるため、これまで気づかなかった課題や改善点が浮き彫りになります。これらの発見は、単にシステムを刷新するだけでなく、業務プロセス全体の最適化にもつながる貴重な機会となります。AS400からERPへの移行を成功させるためにも、質の高いRFPの作成は欠かせないプロセスと言えるでしょう。 ② パッケージ導入とスクラッチ開発の選択 ERPシステムへの移行において最初に検討すべきは、パッケージ導入とスクラッチ開発のどちらを選択するかという点です。パッケージ導入は、すぐに導入できるのが一番のメリットで、初期費用もライセンス料や導入サポートなどで数百万円~と、スクラッチより抑えることができます。保守や運用はベンダーが行ってくれることもあり、自社に詳しい担当者がいなくても安心です。近年は、クラウド型のパッケージも増えており、パソコンとインターネット環境があれば、どこからでもアクセスできるという利便性も魅力です。 一方、スクラッチ開発は自社の業務や商習慣に合わせたオリジナルのERPにできるメリットがありますが、開発費用が高額で導入までの期間も長くなりがちです。システムの数や搭載する機能にもよりますが、数千万円から数億円ほどかかるケースもあり、開発期間が1年以上になることも珍しくありません。AS400からの移行においては、自社の業務特性や予算、導入までの期間を考慮した上で、最適な選択をすることが重要です。近年のパッケージERPは機能が充実しており、カスタマイズ性も向上しているため、多くの場合パッケージ導入が現実的な選択肢となるでしょう。 ③ 中小企業・中堅企業に適したERPパッケージの基準 中小企業や中堅企業がERPパッケージを選定する際には、自社の課題を解決できるかを最優先の基準とすべきです。「自社がERPに期待しているのはどのような成果か」を考えた上で、課題を解決できる機能が備わっているERPを選ぶことが大切です。例えば、「蓄積したデータを分析して需要を予測したい」「現場の連携を強めてスピード感のある経営を行いたい」など、自社の目的に沿ったシステムを選ぶことで、ERP導入の効果を最大化できます。 また、業種特化型システムで代替できないかという視点も重要です。業界によっては一般的な業務プロセスとは大きく異なる特殊な商慣習があり、そのような場合はERPでカバーするのが難しいケースもあります。ERPは生産管理や受注管理、会計管理などの基本機能が網羅されていますが、特殊な商慣習に対応するには大規模なカスタマイズが必要になります。そのためのコストや時間を考慮すると、自社の業種に特化したシステムが存在するならば、そちらを検討するのも一つの選択肢です。特に中小・中堅企業では限られたリソースを効率的に活用するために、導入の容易さや運用のしやすさも重要な判断基準となります。 ④ パッケージ適合度と業務プロセスの見直し ERP選定において、自社の業務要件に100%一致するパッケージを探すのは現実的ではありません。そのため、適合度が80%程度のパッケージを選択し、残りの部分は業務プロセスの見直しや軽微なカスタマイズで対応する姿勢が重要です。このようなアプローチを取ることで、導入のスピードとコストを最適化しながら、必要な業務要件を満たすことができます。 AS400からの移行では特に、長年かけて作り込んできた業務プロセスを見直す良い機会ととらえることが大切です。多くの場合、業務プロセスは時間とともに複雑化し、必ずしも最適な状態ではなくなっている可能性があります。ERPの導入を機に、業務の標準化やシンプル化を進めることで、結果的に業務効率の向上やコスト削減につながります。また、パッケージERPの導入により、業界のベストプラクティスを自社に取り入れることも可能になります。これは、単なるシステム刷新を超えて、企業の競争力強化にもつながる重要なポイントです。 ■ 乗り換え先としておすすめのERP AS400からの移行先として、 SAP S/4HANA Cloud とOracle NetSuiteは特におすすめです。両者に共通する大きなメリットとして、まずクラウドベースの展開によるコスト効率の良さが挙げられます。従来のオンプレミスシステムと異なり、初期導入コストを大幅に抑えることができ、運用コストも予測可能な月額料金制となっています。また、両システムとも継続的なアップデートが提供されるため、常に最新機能やセキュリティ対策を活用できるのも大きな利点です。 さらに、グローバル対応と多言語・多通貨対応が充実しており、将来的な事業拡大にも柔軟に対応できます。AS400からの移行においても、データ連携やシステム統合の実績が豊富で、移行プロセスもベンダーによって十分にサポートされています。クラウドERPの採用により、専門的な技術者の確保や維持という課題も解決でき、技術者の高齢化や人材不足に悩まされることなく、システムを長期的に安定運用することが可能になります。 ① SAP S/4HANA Cloud Public Edition SAP S/4HANA Cloud Public Editionの概要 SAP S/4HANA Cloud Public Editionは、2016年からSAP社が提供するSAP S/4HANAのSaaS型クラウドサービスです。その特徴は「Fit to Standard」というコンセプトで、自社業務を標準機能にあわせる形でシステムを構築することにより、カスタマイズの必要性を最小限に抑えた運用を実現できます。追加開発や大幅なカスタマイズを前提とする、Private Editionやオンプレミスタイプと比較すると機能の拡張性は限定的ですが、標準機能で十分な業務遂行が可能になっています。 SAP S/4HANA Cloud Public Editionがおすすめできる理由 AS400から移行する際にSAP S/4HANA Cloud Public Editionを特におすすめする理由としては、グローバルスタンダードな業務プロセスへの適合性が挙げられます。AS400上で長年積み重ねてきた独自の業務プロセスを、この機会に国際標準に合わせて再構築することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。また、年2回のアップグレード※と毎月のアップデート※という高頻度の機能更新により、常に最新のイノベーションを享受できる点は、Oracle NetSuiteよりも優れています。 ※アップグレードとは、システムの根幹にかかわる変更で、既存のソフトウェアから新しいメジャーバージョンへ移行し、大幅な機能追加や刷新を行うことです。一方、アップデートとは、既存のソフトウェアの不具合修正、セキュリティ強化、小規模な機能改善などを適用し、現在のバージョン内で最新の状態に保つことです。 さらに、SAP S/4HANA CloudはAPIによる機能ベースの連携により拡張性が高く、将来的に様々なサービスとの統合が容易であるため、長期的な視点でのシステム発展を見据えている企業に特に適しています。 ② Oracle NetSuite Oracle NetSuite の概要 Oracle NetSuiteは、販売・債権管理、購買・債務管理、在庫管理、財務会計など多数の機能を持つ統合クラウドERPシステムです。2024年時点で27言語、190以上の通貨、160か国以上の税制に対応しており、グローバルビジネスを展開する企業にも適しています。NetSuiteはCRM・SFA機能から発生したデータを引継ぎ、受注処理、出荷処理を行うとともに、それらを受けて売掛金(債権)を管理し、請求書を発行、入金消込を行うことができます。また、BIやワークフローなどの共通基盤的機能も充実しています。 Oracle NetSuiteがおすすめできる理由 AS400から移行する際にNetSuiteを特におすすめする理由としては、ユーザーインターフェースがシンプルで直感的であるため、AS400の複雑な操作体系から移行するユーザーにとって学習コストを低く抑えられる点が挙げられます。また、IBM i(AS400)とAWS間でデータ連携を行った実績があるなど、移行の実績が豊富で、段階的な移行計画を立てやすいのもNetSuiteの強みです。 さらに、NetSuiteはOracleの長期的な投資を受けており、システムの継続的な進化と安定性が保証されています。特に中小・中堅企業向けには、導入コストと運用コストのバランスが優れており、より現実的な選択肢となるでしょう。カスタマイズも柔軟に行うことができるため、AS400で実現していた特殊な業務要件も比較的容易に再現できるのもメリットです。 ■ まとめ AS400はIBMによって1988年に発表された堅牢なシステムで、多くの企業の基幹業務を支えてきましたが、IBM i 7.3のサポート終了を迎えサポート終了によるセキュリティリスクや技術者不足の問題から、計画的な移行が求められています。 AS400からの移行は、単なるシステム更改ではなく、業務効率化やリアルタイムデータ分析による経営判断の迅速化など、多くのメリットをもたらす機会でもあります。移行先を検討する際は、パッケージとスクラッチの選択、自社に適したERPの基準明確化、業務プロセスの見直し、そして質の高いRFP作成が成功のカギとなります。 クラウドERPへの移行は、初期投資の抑制や継続的な最新機能の利用といったメリットがあり、特にSAP S/4HANA CloudとOracle NetSuiteはAS400からの移行先として有力な選択肢です。 参考|SAP S/4HANA CloudとOracle NetSuiteの比較表 評価軸 SAP S/4HANA Cloud Oracle NetSuite 標準機能への適合方針 「Fit to Standard」を徹底(業務プロセスの再構築が必須) 柔軟なカスタマイズを許容(AS400の特殊要件を継承可能) アップデート頻度 年2回のメジャーアップグレード+毎月のマイナー更新 年2回のメジャーリリースで段階的展開 グローバル標準化の強制力 国際標準プロセスへの完全適合が前提 多国籍対応しながら地域固有の業務慣習を維持可能 ユーザーインターフェース 製造業向けの複雑なデータ処理に最適化 AS400ユーザーにとって直感的な操作性を実現 業種特化領域 大規模製造業の生産管理・品質管理に強み 流通業・サービス業の多拠点管理に優位性 移行プロセスの特性 業務プロセスの根本的な再設計が必要 段階的な移行が可能(AWS連携実績あり) 拡張性の方向性 API連携による外部システム統合に注力 SuiteCloudプラットフォームでの内製拡張を支援 導入期間の目安 6-12ヶ月(業務改革を含む大規模移行) 3-6ヶ月(段階的な切り替え可能) 主要ERP製品 徹底比較ガイド|無料ダウンロード ERP導入を検討中の方向けに、SAPやOracleをはじめとした主要クラウドERPの特徴・違い・選び方を1冊にまとめました。 最新トレンドを踏まえ、機能比較/導入の注意点/SaaS型ERPの選定基準まで網羅しています。 初期検討の情報収集や、社内検討資料の下地としてもご活用ください。 👉 資料をダウンロードする(無料) 告知【SAPコンサルタント募集】 年収800万~2500万 平均残業時間 4.1h/月カジュアル面談の応募を是非お待ちしています!株式会社Anfiniでは現在SAPコンサルタントを募集しています。経験を問わず、会社の概要や入社後のキャリアイメージなど、ご興味がある方は是非カジュアル面談にご応募ください!(選考に一切関係なし)■株式会社 Anfiniって?ベストベンチャー100に創業3期目で選出!従業員ファースト「業務時間8⇒6を目指す」独立系ブティックファーム「経営管理クラウドXO」を融合した経営コンサルティングを提供詳細は以下の記事をご覧ください。カジュアル面談可【急募】SAPコンサルタント/リモート可/副業自由/平均残業4.1