在庫とは、生産や販売などを通じて現金化されることを待っているものを指します。在庫管理とは、企業が発注した品目を受け取り倉庫へ格納し、定期的に棚卸を行い、受注などを受けて出荷を行うプロセスの中で在庫の数量やステータスを適切に管理することを言います。SAPにおける在庫管理とはSAPにおける在庫管理の特徴としては、第一に、調達・販売・生産・会計と密接に連携しており、リアルタイムな在庫状況の把握が可能という点が挙げられます。在庫管理の主な階層はプラントと保管場所となります。プラントレベルでは在庫の数量と金額を管理します。保管場所レベルでは在庫の数量を管理します。導入に際しては、どの階層レベルで在庫の金額を管理したいかがプラントや保管場所定義の決定要素の1つとなります。倉庫管理モジュールを有効にするとさらに棚番レベルのロケーション管理が可能となります。また、在庫状況の管理については、「利用可能」や「保留」などのステータス管理に加え、「受託品」などの特殊在庫であることも管理することができます。在庫状況の確認在庫数やステータスを確認する際にはアプリ:在庫管理や在庫-単一品目を用います。在庫管理アプリでは、品目とプラントを指定することで、保管場所およびステータスごとの数量を確認することができます。また、初期在庫の登録や在庫の廃棄を行うことも可能です。在庫-単一品目アプリでは、品目を指定することで対象の品目のプラント-保管場所ごとに、より詳細のステータスで在庫の数量を確認することが可能です。また、本画面から在庫転送の画面へ遷移することも可能です。在庫転送処理についてSAPにおける在庫転送については大きく以下の2つに分かれます。 ①プラント内在庫転送 ②プラント間在庫転送プラント内在庫転送プラント内在庫転送では、保管場所の移動や在庫タイプの変更を行います。アプリ:在庫転送-プラント内を用いて処理を行います。在庫転送の方法としては、1ステップ在庫転送と、2ステップ在庫転送があります。1ステップ在庫転送1ステップ在庫転送においては、保管場所から保管場所へ品目を直接移動させます。移動している間は在庫数量が実態と合わない期間が生じるため、同じ倉庫内の保管場所移動のように、近距離で移動時間がかからないものが中心となります。2ステップ在庫転送2ステップ在庫転送においては、在庫転送というステータスを用いて、対象の品目が移動中であることを示すことが可能となります。長距離の移動などで、時間がかかる際に用います。プラント間在庫転送プラント間在庫転送においても、1ステップ在庫転送と2ステップ在庫転送のいずれかで在庫転送を実施可能です。また、2ステップ在庫転送の場合に、さらに「在庫転送オーダー」のありなしで手順が分かれます。在庫転送オーダーとは異なる拠点間で在庫を移動させる際に使用されるSAPの購買発注伝票の一種です。在庫転送オーダーなし在庫転送オーダーなしの場合、転送元のプラントで出庫転記を行い、転送先に品目が届いたら入庫転記を行います。アプリ:在庫転送-プラント間を用いて実施します。手順はプラント内転送と同様です。在庫転送オーダーあり在庫転送オーダーありの場合、購買発注として在庫転送オーダーを登録します。また、在庫転送オーダーありの在庫転送には、さらに出荷伝票を用いるケースと用いないケースを選択することが可能です。出荷伝票を用いてピッキングなどの出荷手順を詳細に管理したい場合は出荷伝票を用いる在庫転送を行います。アプリ:購買発注登録-拡張より、伝票タイプを「在庫転送オーダー」として登録します。以降、通常の出庫や入庫処理を実施していきます。関連Scope Itemまとめ今回はMMモジュール内の在庫管理機能について概要を記載しました。購買や受注などと比べ、業務運用として直接的に使用する機会は少なく、検討の優先度が落とされがちな機能ですが、購買、販売、生産の根幹となる在庫を可視化・管理する重要な機能です。告知 SAP認定資格の取得をご支援!SAP Consult Labo・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる ・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる ・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金を得ることができる 公式HP:https://sap-consultlabo.com/