現代のビジネスでは基本的なIT知識が必須です。SAPコンサルタントとしてお客さんと会話する上でも、IT用語について正確に理解していることは大前提となるでしょう。幅広い知識が求められるSAPコンサルタントですが、今回はデータベースの基礎となる、マスタデータ・トランザクションデータについて解説していきます。意外と正確な定義を知らない人も多い単語です。正しい理解をすることを目標に進めていきましょう。また、弊社ではSAPコンサルタント向けに職務経歴書を展開しております。ぜひ、こちらもご活用ください。【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー 1. SAP導入において重要となる場面■移行フェーズSAP導入プロジェクトは、要件定義 → 設計・開発 → テスト → トレーニング → 移行 → 本番稼働 の流れで進みます。このうち移行(Data Migration)は、基幹システムを稼働させるために必要なデータを投入する作業があります。データ移行は限られたシステム停止期間で完了しなければならないため、なんでもかんでも移行するわけにはいきません。データの種類ごとに優先度をつける必要があります。ここでデータ種類の知識が欠かせません。(具体的にはカスタマイズ、マスタ、バランス、トランザクションという4種類のデータで分けられ、移行の優先度は、カスタマイズデータ > マスタデータ > バランスデータ > トランザクションデータとなる)2. 前提の理解 - テーブルとは■テーブルとはマスタ・トランザクションデータを理解する上で、“テーブル”の理解が欠かせません。テーブルとは、データベースにおけるデータを格納する場所であり、データを管理する基本的な単位を指し、基本的に、行(レコード)と列(フィールド)から成る表形式でデータを管理します。マスタデータもトランザクションデータもテーブルに格納されています。例えば、品目マスタの中にもデータ区分によっていくつかのテーブルが分かれています■SAPのテーブル例SAPでは主に、標準テーブル、アドオンテーブル、内部テーブルの3種類のテーブルが存在します。例えば、品目マスタでは、内部に複数の標準テーブルを持っており、階層構造をもちながらデータを保持します。例)品目マスタ内のテーブルMARA:一般データMARC:プラントデータMARD:保管場所データMAKT:品名テキストデータMARM:数量単位データ3. マスタデータ・トランザクションデータとは■マスタとはマスタデータとは、業務を遂行する際の基礎情報となるデータを指します。SAPシステムでは、品目マスタ、ビジネスパートナーマスタ、勘定科目などがこれに該当します。マスタデータも優先度が高い移行対象データになります。マスタデータは属性情報が固定されているものを対象として保持することになるため、あらゆるデータ処理の基礎となります。 以下、従業員マスタの例■SAPでのマスタ例MM領域主要マスタである「品目マスタ」や「BPマスタ」「購買情報マスタ」「供給元一覧」「供給量割当」などが挙げられます。各領域に多数のマスタが存在していますが、マスタの言葉の定義のみでなく、各マスタの機能やマスタ同士の関係性を理解した上で、適切にマスタ項目の定義を検討することがSAPコンサルタントとして求められます。■その他 参考トランザクションデータの登録のような各種データ処理の前に、準備として登録することが必須となります。また、複数のデータベースで使用することが可能であり、都度属性情報を入力する手間や処理の煩雑さを軽減します。比較的追加や変更の機会は少なく、管理者のみが追加や変更の権限を持つことが多いです。4. トランザクションとはトランザクションデータとは、マスタデータとは異なり、個別の出来事に対して都度作成されるデータになります。固定的なマスタデータとは異なり、データ処理に伴って蓄積する流動的であることが特徴です。一般的な例として伝票情報があげられます。1つの伝票番号に対して、「販売品目コード」や「販売品目名」「取引先」「取引価格」「営業担当者名」などの情報が紐づけられています。都度入力情報が異なり、追加や変更される機会は多いため広範囲やすべてのユーザが追加や変更の権限を持つことが多いです。各項目にマスタデータが付与されている場合が多いです。5. マスタ・トランザクションデータの違いまとめ大きく分けて、データの性質、データの追加・変更権限に違いがあります。マスタデータは、データ処理の基盤であり、あまり変化しない固定的かつ基本的なデータを持ち、データベース管理者に限定されることが多い一方で、トランザクションデータは、日々の業務処理の記録したデータで業務処理とともに増えていくもので、データ追加や変更される機会も多いため、全てのユーザが追加や変更権限をもついことが通例です。【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー ■SAP初学者向けアカデミー受講生募集!【SAP Consult Labo】「現役」SAPコンサルタントが提供する、未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミーメディアの運営母体であるAnfiniでは、 現役SAPコンサルタントが提供する、未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミーを開催しています。【SAP認定コンサルタント資格のメリット】・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金や料金を得ることができる公式HP:https://sap-consultlabo.com/