SAPの主要モジュールは、大きく会計系、ロジ系の2つに分けることができます。本記事では、ロジ系に分類されるモジュールの1つであり、生産管理に関わる機能を提供する PP(Production Planning and Controll )モジュールの概要、機能、導入目的について解説します。まずはPPモジュールの全体像を掴めるようにしましょう 【SAPコンサルタント募集】 年収800万~2500万 平均残業時間 4.1h/月カジュアル面談の応募を是非お待ちしています!他のロジ系モジュールにも関心がある方は以下の記事も合わせてご覧くださいSAP SD(販売管理)モジュールとは?概要と導入メリットを徹底解説! SAP MM(購買・在庫管理)モジュールとは?ロジ系代表モジュールの役割と目的を徹底解説! PPモジュールの概要 PPモジュールとは PPモジュールは、企業の生産計画および生産管理に特化したモジュールです。生産計画とは、需要予測に基づいて生産計画を立てるプロセスです。市場の需要予測に基づき生産量やスケジュールを策定し、必要な資材やリソースを計画します。生産管理とは、製造指図の作成や作業実績の登録などを実施するプロセスです。これにより、実際の生産活動を監視し、生産スケジュールの調整や製品の品質・生産効率を維持するための調整・改善を行います。また、PPモジュールはSDモジュールの販売管理やMMモジュールの購買・在庫管理の情報を基に動作し、生産プロセス全体をサポートします。例えば、MM(Material Management)モジュールの品目マスタ上に保持されている材料の基本情報や在庫データを使用し、PPモジュールの品目マスタで製造計画や在庫管理を行います。 他にも、SD(Sales and Distribution)モジュールとのBPマスタ上に保持している得意先ごとの特別な要求(納期、数量など)を考慮し、PPモジュールの品目マスタにおいて製造計画を調整します。 機能概要 ①需要計画 需要計画(Demand Planning)は、将来の需要を予測し、製品やサービスの必要量を見積もるプロセスです。PPモジュールでは、市場の需要予測・資材の調達状況・機械や人員の稼働状況 などをもとに適切な生産量を計算します。 例えば、自動車メーカーの場合、過去のデータや市場動向を分析し、主要部品(エンジン、タイヤ、ボディなど)の在庫状況、製造ラインの稼働状況、必要な人員数を基に各月の生産量を計算します。 ②基準生産日程計画 基準生産日程計画(Master Production Scheduling: MPS)は、製品の生産スケジュールを策定するための計画です。MPSは、製品の生産スケジュールを詳細に設定し、資源の効率的な配分を可能にします。これにより、製品の需給バランスを保ちながら、生産ラインの稼働率を最適化します。 例えば自動車メーカーについて、需要計画の情報から次の3カ月で4000台生産する場合、生産ラインの稼働状況などをもとに以下のように生産スケジュールを策定します。 生産スケジュール:1,200台(第1月)、1,200台(第2月)、1,600台(第3月) ③MRP(資材所要量計画) MRP(Material Requirements Planning)は、製品の製造計画に基づき、必要な材料や部品の所要量を計算し、発注計画を立てるプロセスです。発注計画の情報として材料や部品の必要数量、発注日、納入日、サプライヤー情報などを MMモジュールと共有し、材料不足による生産遅延や過剰在庫を防ぎます。 例えば、自動車メーカーについて、エンジン、タイヤ、バッテリーなどの部品の発注計画を立てます。生産予定数や在庫状況をもとに、適切な購買量、購買時期を計算します。 ④計画手配登録 計画手配登録(Planned Order Management)は、将来の生産活動に必要な手配を計画するプロセスです。PPモジュールでは、生産量、生産スケジュールに基づき、資材、設備、労働力などの分配、外注の手配などを行います。 ⑤製造指図登録 製造指図登録(Production Order Management)は、具体的な製造活動を現場で指示するための製造指図を発行するプロセスです。製造指図とは、製造担当者に いつ・どの品目を・どこで・いくら生産するか という指示情報が載った伝票です。製造指図の登録方法は計画手配をもとに自動で登録をするパターンとマニュアルで登録をするパターンがあります。 ⑥実績登録 実績登録(Production Order Confirmation)は、生産活動の実績を記録し、原価計算、製造プロセスの改善点を分析するプロセスです。製造実績には、生産品入庫・構成品出庫・作業時間の3つを計上します。生産品入庫計上とは、製造によって生産された品目・数量・ロットを入庫計上することです。構成品出庫計上とは、製造で使用された品目・数量・ロットを出庫計上することです。作業時間計上とは、製造にかかった作業時間を計上することです。 導入の目的 ①生産性向上 PPモジュールの導入は、コストの削減や生産能力向上に寄与します。MRP機能を活用して材料の在庫を適正化し、過剰在庫や材料不足を防ぐことで、在庫コストを削減できます。また、基準生産日程計画や計画手配登録の機能を活用することで、生産プロセスを効率的に管理し、リソースの最適な配分を実現します。これにより、生産ラインの稼働率が向上します。 ②品質管理の強化 PPモジュールを導入することで、生産プロセス全体における品質管理が強化されます。生産計画と実績の詳細なデータを一元管理することで、品質に関する問題を早期に発見し、迅速に対応できます。これにより、製品の耐久性、安全性、外観などを担保でき、顧客満足度を向上させることが可能です。 告知【SAPコンサルタント募集】 年収800万~2500万 平均残業時間 4.1h/月カジュアル面談の応募を是非お待ちしています!株式会社Anfiniでは現在SAPコンサルタントを募集しています。経験を問わず、会社の概要や入社後のキャリアイメージなど、ご興味がある方は是非カジュアル面談にご応募ください!(選考に一切関係なし)■株式会社 Anfiniって?ベストベンチャー100に創業3期目で選出!従業員ファースト「業務時間8⇒6を目指す」独立系ブティックファーム「経営管理クラウドXO」を融合した経営コンサルティングを提供詳細は以下の記事をご覧ください。カジュアル面談可【急募】SAPコンサルタント/リモート可/副業自由/平均残業4.1