SAPの専門知識やスキルを証明する「SAP認定コンサルタント資格」は約160種類存在します。そのため、どの資格を取るのがよいか決めかねている方もいらっしゃるかと思います。この記事では、SAPコンサルタントとして独立する際、どのモジュールに強みを持つことが案件獲得に有利になるのか、その理由もあわせてお伝えします。 【SAP初学者向けアカデミー受講生募集】 「現役」SAPコンサルタントが提供する未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミー 「SAP認定コンサルタント資格」とは SAP認定コンサルタント資格とは、SAP(Systems, Applications, and Products in Data Processing)が提供するエンタープライズソフトウェアに関する専門知識やスキルを証明するための資格です。SAP認定コンサルタント資格を取得することで、SAPソリューションの設計、実装、運用、サポートなどに関する能力があることを公式に認められます。そのため、社内での評価向上や転職・フリーランス活動での大きな武器になります。 なお、SAP認定コンサルタント資格は①知識分野、②難易度により分類されています。 ①知識分野による分類 ・アプリケーションコンサルタント (Application Associate) SAPシステムを導入し、企業の業務プロセスを効率化するための基礎的な知識とスキルを証明する資格。 ・デベロップメントコンサルタント (Development Specialist) SAPのアプリケーション開発を行うためのスキルを有していることを証明する資格。 ・テクノロジーコンサルタント (technology associate) SAPシステムのインフラ構築や運用に関する技術的な知識とスキルを証明する資格。 ②難易度による分類 ・アソシエイト(Associate) 特定のSAPモジュールやソリューションの基本的な知識とスキルを持っていることを証明できる資格。 ・スペシャリスト(Specialist) アソシエイト認定資格に加えて、各モジュールの知識やより専門的なスキルを証明する中級レベルの資格。 ・プロフェッショナル(Professional) プロジェクト経験や会社業務に関する知識、SAPソリューションに対する深い知識・理解を求められる高度な認定資格。 ※SAP認定コンサルタント資格についてより詳しく知りたい方はこちら↓ https://sap-consul.jp/article/article83 案件獲得に有利なSAPモジュール 第5選 ①財務会計(FI)関連 ・モジュール概要 FIモジュールとは、財務諸表など社外向け資料の作成など、企業の財務会計プロセスや財務データを管理するモジュールです。総勘定元帳(FI-GL)や売掛金管理(FI-AR)、買掛金管理(FI-AP)などのサブモジュールで構成されます。販売管理モジュールの売上データや、在庫管理モジュールの発注価格や在庫量のデータなどが集約される構造となり、外部向けの決算書の作成や、固定資産、債務、利益などの情報の登録や処理を行います。 ・理由 近年、コンプライアンス強化やデジタル化が進む中、リアルタイムな財務管理と透明性の確保が重要視され、SAP FIモジュールの導入が増加しています。業界を問わず導入されるモジュールであるため、案件は安定して存在します。 ・資格例 -SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA for Financial Accounting Associates -SAP Certified Application Professional - Financials in SAP S/4HANA ②販売管理(SD)関連 ・モジュール概要 SDモジュールは、企業の販売プロセスと配送プロセスを管理するためのモジュールです。主な機能として、品情報、価格、数量、納期などの詳細情報を管理する「販売オーダー管理」や、価格条件を設定し、契約価格、割引、特別価格、税金などの価格マスタを管理する「価格設定」などがあります。これらは製造業、小売業、流通業などのさまざまな業界で使用され、企業が顧客との効果的な取引と、販売プロセスを合理化するのに役立ちます。 ・理由 企業のグローバル化・インターネット普及による販売チャネルの増加が進んだことにより販売プロセスや流通網が複雑化し、それを管理するSDの需要が増しています。そのため、商取引を実施する企業では業界を問わず導入されることが多く、案件は安定して存在します。 ・資格例 -SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Sales -SAP Certified Application Professional - SAP S/4HANA Sales Upskilling ③資材管理(MM)関連 ・モジュール概要 MMモジュールは、調達・在庫プロセスを管理するモジュールです。主に、品目計画・管理、購買管理、入出庫管理、在庫管理、請求書照合の機能があります。 多くの他モジュールと連携することで企業の業務最適化や業務効率化に貢献します。例えば、FI(財務会計)モジュールと連携して購買活動の財務影響を追跡したり、PP(生産計画)モジュールと統合して生産に必要な材料の供給を最適化したりします。・理由 近年では不正防止の観点や、原料費・人件費などの価格高騰もあり、組織化・標準化された購買・在庫管理がますます重要となっています。在庫レベルを落とさず、欠品や納品遅延がどの企業でもシビアになっていることから、導入の検討が行われます。商取引を実施する企業では業界を問わず導入されることが多く、案件は安定して存在します。 ・資格例 -SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Sourcing and Procurement -SAP Certified Application Professional - SAP S/4HANA Sourcing and Procurement ④管理会計(CO)関連 ・モジュール概要 COモジュールとは、社内向けの利益予測や収益管理などに特化したモジュールです。経営陣が企業の財務パフォーマンスを追跡・管理し、意思決定を行うことを支援します。間接管理や製品原価管理、収益性分析などのサブモジュールから構成されます。主な機能としては、コスト要素(賃金、材料、輸送、など)を管理する「コストエレメント管理」や、企業内の収益と費用を特定の部門や事業単位への割り当て、追跡、収益性評価を行う「利益センタ管理」などがあります。 ・理由 SD・MM・FIモジュールに比べて利用するクライアントが少ないため、案件数も少ない状況です。具体的には、FIは導入するがCOは導入しないケースがあります。また、サブモジュールのうち、製造原価管理は導入が製造業のクライアントに限定されてしまいます。しかしながら、非製造業にも導入されるモジュールであるため、案件は安定して存在しています。 ・資格例 -SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Management Accounting Associates -SAP Certified Application Professional - Management Accounting with SAP S/4HANA ⑤生産管理(PP)関連 ・モジュール概要 PPモジュールは、製造計画や生産プロセスの計画、管理、監視を行うモジュールです。そのため製造業に特化したモジュールになります。主な機能として、生産計画を立案し、生産計画を調整して生産需要を満たすための計画を作成する「生産計画」や、生産オーダーには、生産ロット、製品仕様、必要な資材、作業手順などを管理する「生産オーダー管理」が含まれます。製造業における生産プロセスの最適化と効率化を実現するための重要となります。 ・理由 導入クライアントが限定されるため、案件数が他モジュールと比較して少ない状況です。具体的には、製造業などの物を組み立てて売るクライアントには導入されますが、小売業業などの生産を伴わないクライアントには導入されません。一方で、PPモジュールに強みを持つ人材は貴重なため、できる人は囲われて次から次へと案件を受注できるケースもあるそうです。 ・資格例 -SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Production Planning and Manufacturing -SAP Certified Application Professional - SAP S/4HANA Manufacturing Processes まとめ ・ 専門知識やスキルを証明できるSAP認定コンサルタント資格は、社内での評価向上や転職・フリーランス活動での大きな武器になる ・安定して案件を獲得するために有利なモジュールは①財務会計(FI)②販売管理(SD)③資材管理(MM) ④管理会計(CO)関連⑤生産管理(PP)関連SAP認定資格試験 受験準備BOOK|無料ダウンロード SAP学習者の多くが取得を目指す、SAP認定資格試験(SAP Certification Test)について1冊にまとめました。 認定資格を取得するメリットから種類や受験方法、学習方法まで網羅しています。 資格取得をお考えの方は、ぜひ学習の指針としてご活用ください。 👉 資料をダウンロードする(無料) 最後にSCLではSAP学習だけでなく、SAP認定資格受験のフォローアップまで実施しています。SAP認定資格の受験は言語が英語であったり、手続きが煩雑であったりして面倒に感じる点も多いと思うため、ぜひご利用ください。■SAP初学者向けアカデミー受講生募集!【SAP Consult Labo】「現役」SAPコンサルタントが提供する、未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミーメディアの運営母体であるAnfiniでは、 現役SAPコンサルタントが提供する、未経験からのSAPコンサルタント転職アカデミーを開催しています。【SAP認定コンサルタント資格のメリット】・認定資格を未取得の人との市場での差別化を図れる・認定資格を取得することによる自信とスキルを持ってタスクを実行できる・価値の高い認定資格を持てば、高い賃金や料金を得ることができる公式HP:https://sap-consultlabo.com/