保守・運用フェーズは、SAP導入後の重要なフェーズに当たります。今回の記事では、保守・運用フェーズの概要からプロジェクトにおいて躓きやすい点までを解説します。保守・運用フェーズで、どのようにシステムの安定的な稼働や継続的な改善が行われるかを理解し、実際のプロジェクトで役立てましょう。【SAPコンサルタント募集】 年収800万~2500万 平均残業時間 4.1h/月カジュアル面談の応募を是非お待ちしています!保守・運用フェーズとは 概要 SAP導入プロジェクトはシステムの立ち上げから運用までを含む一連の流れです。保守・運用フェーズは、システムの本番稼働開始後、その稼働を安定させ、業務運営に支障が出ないようにする上で重要な役割を持ちます。保守フェーズは、SAPの本番稼働開始後、技術的な問題解決やシステム改善を行う目的であることが多いです。保守フェーズでは主に技術的な不具合の修正や最適化が行われます。運用フェーズは、SAPの本番稼働開始後、システムの安定運用を維持する目的であることが多いです。運用フェーズでは日常的なシステム管理や業務プロセスの改善が進められます。 位置づけ 保守・運用フェーズは、SAP導入プロジェクト全体の中で最終フェーズに位置づけられます。保守・運用フェーズは、システムの安定稼働を確保するための重要なプロセスです。システム稼働後、ユーザーが実際に利用し始めることで、追加要件が具体化します。そのため、導入後には、バグや不具合の解決や、利用者からの要望に応じたシステムの改善・拡張が必要となる場合があります。システムが安定して運用されることで、企業全体の業務効率が向上し、コスト削減や競争力強化にもつながります。 保守・運用フェーズの進め方 進め方概要 保守・運用フェーズは、通常以下の業務で構成されます。 保守フェーズ 障害対応 システムに不具合や障害が発生した際、まずは迅速に原因を特定し、影響を最小限に抑えながらシステムを復旧させます。復旧までの対応には、障害の影響範囲を確認し、再発防止策も含めた技術的な修正を実施します。問題が大規模な場合、システムの一部を停止させてでも修復作業を進めることが求められます。 修正・改善 定期的なセキュリティパッチの適用やシステムバグの修正が含まれます。また、システムの稼働中に見つかった小さな不具合や設定のミスを修正することで、システム全体のパフォーマンスを向上させます。 運用フェーズ システム監視 システムの状態を常にモニタリングし、パフォーマンスや稼働状況を確認します。目視での確認やアラートで異常な動作やエラーを発見し、問題が大きくなる前に迅速に対応します。 メンテナンス システムの安定運用を継続させるために、定期的なバックアップやデータ管理、ハードウェアの点検を行います。計画的なメンテナンスを実施し、障害を未然に防ぐための予防措置も含め、システムの信頼性を向上させます。また、メンテナンスのタイミングは業務に影響がないように計画されます。 ソフトウェア更新 SAPの新しいバージョンやパッチがリリースされた場合、システムを最新の状態に保つために定期的なソフトウェア更新を行います。これにより、新しい機能やバグ修正が適用され、システムのパフォーマンスが向上します。ソフトウェア更新の際には、事前にテスト環境で動作確認を行い、問題がないことを確認した上で本番環境に適用します。 セキュリティ対策 サイバー攻撃やデータの漏洩を防ぐために、最新のセキュリティパッチを適用し、システム脆弱性を定期的にチェックします。セキュリティ対策の一環として、ユーザー権限の管理やアクセスログの確認、暗号化などを行い、不正アクセスを防止します。また、定期的なセキュリティ診断を通じてシステムの安全性を確保します。 ステークホルダーと役割 保守・運用フェーズには、多くの人が関与します。主なステークホルダーとその役割は以下の通りです。 ①システム管理者(クライアント企業) システムの監視やメンテナンスを担当し、日常的なシステムの安定稼働を確保する役割を担います。バックアップや障害対応などが主な業務です。 ②システムサポート担当者(クライアント企業) システムサポート担当者は、後述するビジネスユーザーが直面する技術的な問題や操作に関する問い合わせに対応します。彼らはユーザー教育などを通じて、システムの円滑な利用を支援する役割を担います。 ③ビジネスユーザー(クライアント企業) 実際にシステムを利用して業務を行うユーザーです。彼らからのフィードバックや要望が、システム改善や新機能の導入に大きな影響を与えます。 ④開発者・技術者(コンサルティングファーム、または外部ベンダー) システムの修正や機能追加が必要な場合、プログラムの修正や新機能の開発を行います。システムに新しい要件が発生した場合や、システムパフォーマンスを向上させる必要がある場合に対応します。 ⑤ユーザーサポート担当者(コンサルティングファーム) ユーザーからの問い合わせやトラブル対応を行い、システム利用者が快適に業務を遂行できるようサポートします。特にシステム利用に関するトレーニングや教育も重要な業務の一部です。 ⑥SAPサポートチーム(SAP社) 複雑な問題や重大な障害が発生した場合、SAPの公式サポートチームと連携して問題解決にあたります。特に、システムアップグレードやバグ修正が必要な場合にサポートを受けます。 よくある躓きポイント 実際に保守・運用プロジェクトを行う際、躓く点をいくつか紹介します。 ①システムの複雑さ SAPシステムは、多数のモジュールが存在し、各モジュールが複雑に連携しているため、設定や変更が他の部分に影響を及ぼすことがよくあります。この複雑さにより、問題発生時に原因を特定するのが難しく、全体的なシステムの理解が必要です。さらに、個々のカスタマイズや拡張も多いため、特定の企業や業務に合わせた独自の設定が複雑化しやすいです。これにより保守作業の負担が大きくなることがあります。 ②システムの定期メンテナンスや更新 定期メンテナンスや更新では、システム全体への影響を最小限にするため、計画的な作業が求められます。特に、アップデートやパッチ適用時には、他のシステムやプロセスとの互換性を確認する必要があります。事前テストが不十分な場合、予期せぬトラブルが発生するリスクがあり、作業後に不具合やパフォーマンス低下が起こることがあります。 ③セキュリティ対応 まず、権限管理が複雑で設定ミスが生じやすく、過剰または不十分な権限付与がセキュリティリスクを招くことがあります。また、システム稼働中に適切なパッチ適用のタイミングが見つけにくいため、既知の脆弱性が放置されることもあります。さらに、リソース不足やツール導入の遅れにより、システム監視が不十分となり、不正アクセスや不審な操作を見逃すリスクも高まります。 告知【SAPコンサルタント募集】 年収800万~2500万 平均残業時間 4.1h/月カジュアル面談の応募を是非お待ちしています!株式会社Anfiniでは現在SAPコンサルタントを募集しています。経験を問わず、会社の概要や入社後のキャリアイメージなど、ご興味がある方は是非カジュアル面談にご応募ください!(選考に一切関係なし)■株式会社 Anfiniって?ベストベンチャー100に創業3期目で選出!従業員ファースト「業務時間8⇒6を目指す」独立系ブティックファーム「経営管理クラウドXO」を融合した経営コンサルティングを提供詳細は以下の記事をご覧ください。カジュアル面談可【急募】SAPコンサルタント/リモート可/副業自由/平均残業4.1